弦を交換したばかりのギターは、ブライトで何とも言えないフレッシュなサウンドである。
しかし、時間が経つとチューニングが全体的に下がり暫くの間は何度かチューニングが必要になる。
そんなとき、多くの人は「弦が伸びた」と表現している。
しかし、スティール製の弦が本当に伸びるのだろうか? 
正確に言うと、スティール弦はチューニング程度の張力ではほとんど伸びることはない(ナイロン弦は伸びる)。
もしもスティール弦が伸びるとしたら、フロイドローズなどのロック式トレモロ・ユニットなどは、理論的あり得ないことになる。
では何故弦のピッチが緩むのだろう? 
今回はその主な要因と対処法について考えてみたい。 

 ピッチが緩む要因の大半は、チューナーポスト部分の弦の巻き方や取り付け方にある。
特に多いのがポストに余分な弦をグルグル巻きにしている場合。
ポストに弦をグルグル巻き付けると、チューニングした後にその部分が堅くしまることで、弦のテンションは全体的にゆるくなる。
余っている弦はあまりポストに巻き付けないで、せいぜい2周くらいでチューニングが合うように、余分な弦を短めにカットすることが大切だ。
そして巻く時は、最初にポストの穴を通った弦と平行に、また通った弦の下側に巻き取ると緩みにくい。
さらに、ポストの穴から弦が逃げて行かないように、先端を90度以上に折ることを忘れないようにしよう。 

 もうひとつチューニングが狂う要因は、弦の不良。
最初から巻き線がボコボコしていたり、巻き線が緩んでいる場合などもチューニングが安定しない。
これはなかなか購入時に確認できないが、最初からそうなっている弦は使用しない方が良い。
弦をポスト部分で鋭角に曲げると、そこで巻き弦をがゆるくなることの防止対策にもなる。 

 アコースティック・ギターの場合は、なんとなくブリッジのホールに弦のボールエンドを差し込んではいないだろうか? 
実はボールエンドには正しい取り付け方がある。
ボールエンドがブリッジピンのスリットに上手く食い込ように、ボールエンドの位置と向きをスリットに合うように調整しながら弦を取り付けると、多少なりともゆるみの防止になる。 


 そしてもうひとつ、ナット部分の溝と弦のゲージはうまくマッチしているだろうか? 
ナットの溝の幅と弦のゲージがジャストフィットしていないと、ベンディングの後に弦が正しい位置に戻りにくい。
そんな時は、ほんの僅か溝にオイルを付けるか、エンピツの芯をこすりつけるなどして、溝を弦の摩擦を減らしてあげよう。 

 弦は切れなければいつまでも使えると思っている人は意外に多い。
しかし、弦には寿命があり、それを越えるとサウンドが劣化するだけではなく、チューニングもも不安定になり、切れやすくなる。
長く使っている弦は、フレット部分の巻弦が潰れて弦がボコボコになってくる。
よく弾くギターの場合、できれば2週間~1ヶ月をめどに弦を交換しよう。
またギターを使用した後は必ず弦とフィンガーボードを丁寧に拭き上げ、暫く時間空けて弦とフィンガーボードが乾いてからケースに収納することも忘れずに。