「エレキギター」と一口に言っても、様々な種類がある。
ボディの構造でギターを分類すると、ストラトキャスターやレスポールのようにボディがソリッド構造になっているソリッド・ギター。
アコースティックのフラットトップ・ギターにピックアップを取り付けたエレクトリック・アコースティック・ギター(いわゆるエレアコ)。
ジャズ・ギタリストなどが多く使用するエレクトリック・アーチトップ・ギター(フル・アコースティックとも呼ばれる)。
アコースティック・ギターとソリッド・ギターの双方の特徴を併せ持つセミ・アコースティック・ギター(セミアコ)。
ソリッド・ギターの一部をくり抜いて内部をホロー構造にしたセミ・ソリッド・ギター、などがある。

 「セミアコ」というと、ギブソン ES-335に代表されるアーチトップのボディが薄いギターのことだと思っている人が多いが、実はそうではない。
ES-335はボディ内部にセンターブロックと呼ばれる大きなスプルース製の柱が入っていて、トップとバックとを繋いでいる。
つまりその部分に関しては、まさしくソリッド・ギターに近い構造である。
しかし、その中央部分以外はアコースティック構造であるため、セミ・アコースティックと呼ばれている。
ギブソンには、外観上は極めてES-335に近いES-330というモデルがある。
330も335と同じように薄いシンボディを採用しているが、330はボディ内部にセンターブロックを採用していないため、セミ・アコースティックではなく、フル・アコースティックとなる。

 セミ・アコースティックとセミ・ソリッドは、内部がホロウ構造になっているという意味では同じであるが、元になっているギターがアコースティックかソリッドかということであえて分けて語られることがある。

 では、それらのギターのサウンドはどのように異なるのだろう? 一般的にはソリッド・ギターはサステインが長く、シャープなサウンド。
アコースティック・ギターはサステインは短めで、ふくよかなサウンドである。
セミアコやセミソリッド・ギターの場合は、その両者の特徴を併せ持っている。
ほとんどのギターにはトーン・コントロールやピックアップ・セレクターなどが付いているし、アンプやエフェクターによってもサウンドはかなり変化するが、ベーシックとなる楽器本来のキャラクターは変わることが無いので、ギターを選ぶ時の目安として意識しておきたい。
楽器のサウンドはあくまで好みの問題であり、そのサウンドをどう使うかがポイントである。
サウンドそのものが良い悪いということは無いが、自分が目指す音楽にはどんなサウンドのギターが向いているのか、ということなども考えてギターを選ぶと良いだろう。