前のコラムで、ボディ構造から見たエレキギターの種類に関して紹介した。
今回は、弦の数やスケールから見たエレキギターの種類に関して紹介しよう。

 一般的にはギターと言うと、6弦がほとんどだ。
しかし、スティーヴ・ヴァイの登場以来、ローBの低音弦を追加した7弦ギターも物珍しくはなくなった。


アイバニーズからは、6弦に2本の低い音弦を追加した8弦ギター、更には9弦ギターも発売されている。

 6弦ギターとマンドリンの特徴を混ぜたような12弦ギターは、60年代からリッケンバッカーなどでも生産され、涼しいそのサウンドで人気を得ている。

 更に60年代は、テナー・ギターと呼ばれる4弦ギターも誕生した。
そのほとんどはアコースティック・ギターであったが、ギブソンでは極僅かにテナー・ギター仕様のエレキギターをカスタムとして製作していた。
これはギタリストが同じバンドに何人かいた場合、低音域が重なって音が濁って聴こえるのを防ぐための対応である。

 ユニークなところでは、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは、5弦ゼマイティス・ギターやヴィンテージ・テレキャスターをオープン・チューニングにセットして愛用していることは広く知られている。

 さらに特殊なアコースティック・ギターであるが、モーリスからは、BW-100という12弦ギターの低音域の3本の弦の複弦を外したような9弦ギターを発売し、ギタリストの間で話題となった。

 一般的なギターよりも2フレット長いロング・スケールを採用したバリトン・ギターも様々なメーカーから発売され発売されている。
これは一般的には6弦E~のチューニングではなく、2フレット分低い6弦D~のチューニングで使用される。
中でも、フェンダー・テレキャスターのバホセストは有名なバリトン・ギターだ。

 またバリトン・ギターとも仕様的には重なるが、フェンダーからは1965年にスケールの短い6弦ベース(スケールの長い6弦ギター?)も発売されている。
これはギターとベースとの間をつなぐ新しい楽器として多くのギタリストたちに愛用され、フェンダーからは何度もリイシューされた。

 またその逆で、スケールが一般のギターの半分程度で、オクターブ高い音域にセッティングされるオクターブ・ギターもいくつかのブランドから発売されている。

 ナイロン弦とピエゾピックアップを採用したナイロン弦エレクトリック・ギターも近年はすっかり定着し、クラシック・ギターとは異なる独自な進化を遂げ、愛用者も増えている。