前回のコラム「弦の選び方 ①」では、「好みのサウンドと弦の種類」「ゲージの選び方」に関して紹介した。
この「弦の選び方 ②」では、それ以外の要素について紹介しよう。

近年人気がある弦の種類に「コーティング弦」と呼ばれる製品がある。
これは弦に特殊な樹脂コーティングや金属コーティングを施した新しいスタイルの製品のこと。
弦の腐食や汚れを抑え、張り換えた時のフレッシュなサウンドを持続させることを目的に開発された製品で、大手のブランドであれば大方そういったタイプ製品もラインナップしており、専用のブランドもある。
この効果は実際に使用してみるとすぐにわかるが、確かに張りたてに近いサウンドが長く持続することは間違いない。
これは弦をコーティングすることで、手の油や水分、ヨゴレなどから弦を保護し、ロングライフを実現している。
また、コーティング弦は音のまとまりに優れているとも言われており、特にコードなどの和音にその効果が感じられる。
しかし、価格的にはコーティングされていない同等の弦と比較して、数倍の価格帯が設定されている製品がほとんどだ。
確かにサウンド面でのロングライフや張り替えの手間が省けるというメリットは大きいが、サウンドが全く劣化しないという訳ではないので、このメリットと価格帯とのバランスをどう受け止めるかによって、好みが分かれるところでもある。
また、コーティングの種類や加工方法はブランドによって異なっており、その効果や特性、製品の価格などもまちまちであることは理解しておきたい。

弦はブランドや種類によって、様々な価格が付いている。
楽器店や通販サイトを見ると、時には驚くほど安い弦を見つけることがある。
複数セットをひとつのパッケージにすることで販売価格を押さえている商品もあるが、中には「なぜこんな価格で?」と思えるほど安価な弦もある。
そんなときは「まとめ買いをしたい!」とも思うが、弦には「賞味期限」があることを覚えておこう。
弦を製造から長い期間放置すると、金属が酸化してくる。
近年は真空パックされている製品が多いため昔ほどではないが、極端に安く売られている製品の中には、そういったパッケージを省略していたり、中には巻き弦が緩んでいるなど粗悪な製品も一部あるので、あまり数多くまとめて購入することはお薦めできない。

日本で販売されている弦のブランドは、数十あり、そのほとんどがいくつものシリーズやゲージを有している。
それら数百種類の中から自分のギターにうまくマッチする弦を選ぶことは容易なことではないだろう。
しかも、友人が使っている弦が自分のギターにマッチするとも限らないし、こればかりは実際に自分のギターに張ってみなければ答えは得られない。
「今使用している弦より、もっと適した弦があるかもしれない」と考えて、弦探しの旅を楽しんではいかがだろうか?

Rotosound Nexus Acoustic Extra Light Polymer Coated Phosphor Bronze, NXA10 (.010-.050)

Rotosound Nexus Acoustic Light Polymer Coated Phosphor Bronze, NXA11 (.011-.052)

Rotosound Nexus Acoustic Medium Light Polymer Coated Phosphor Bronze, NXA12 (.012-.054)