前回、ウクレレに搭載されている2種類のチューナー、フリクション・ペグとギア・ペグに関して紹介した。
今回は、それらのチューナーをもう少しマニアックな観点から考えてみよう。

 トラディショナルなフリクション・ペグ(ストレート・ペグ)が付いているウクレレを使用しているプレイヤーは、なかなかチューニングが思うようにいかずイライラした経験があるだろう。
それを防ぐのに、まず最初に試みるのが「弦の巻き方」と「トルクネジの調整」(ネジが付いていないタイプもある)だ。
これはギターも同じだが、余分な弦をストリングポストにグルグル巻き付けるとチューニングが不安定になる。
ボタンの上の小さなトルクネジ(ギアペグはギア部分)を十字ドライバーで調整することで、弦を巻くときのトルクや遊びが調整できる。

それでもいまひとつチューニングに難がある場合は、いっそのことフリクション・ペグをギア・ペグに交換してみてはどうだろう。
一般的なフリクション・ペグはボタンとストリングポストが1:1で回転するが、ギア・ペグはギア比が1:14。
単純計算だとギアの方が14倍細かなチューニングが可能となり、チューニングは劇的に楽になる。
しかし、ここで考えなければいけないのが、ヘッドにチューナーを取り付ける穴のサイズ。
これがピッタリ合っていないと、ギア・ペグが入らなかったり逆に穴の中でペグが泳いでしまうことになるので、ペグを交換する際は正確に穴のサイズを採寸しよう。
穴をリーマーやドリルなどで広げるときは、後には戻れないのでゆっくり慎重に作業を行う。
また小さめの穴に無理にチューナーを押し込むとヘッドの割れに繋がりやすいので、絶対にしてはならない。

そしてもうひとつ、新たに取り付けるギア・ペグはできるだけ小型で軽量なタイプが望ましい。
特にギター用のロトマチック・チューナーなどはかなり重量があり、ウクレレ本体とヘッドとの重量バランスが崩れるだけでなく、トーンが変化することもある。
一見同じようなギア・ペグでも、金属ボタンのギター用ロトマチックとウクレレ用の軽量なオープン・ギア・タイプでは、2倍以上重さがが異なるので、その辺を意識してチューナーを選ばなければならない。
多くのパーツ・メーカーからは、ウクレレ用の軽量コンパクトな製品も多数発売されているので、よく調べてから購入するようにしよう。

また、ギア・ペグの利便性は十分理解しているが、どうも交換した後のルックスに抵抗がある、という人もいる。
実はそんな人のために、ゴトーガット社からはほぼフリクション・ペグの外観をキープした特殊なギア・ペグも発売されている。
これは1:4のギア比を持った優れもので、フリクション・スタイルを崩すこと無くギアによるスムーズなチューニングを実現している。
ただし、これは従来のフリクション・ペグよりヘッドの穴をやや大きく空け直す場合が多く、無条件で交換できるとは限らない。

その他にも、ゴトーガット社からは以前ステルスキーと呼ばれる8弦ウクレレの複弦にも使用可能な超コンパクト軽量チューナーが発売されていたが、近年は完売状態になっているようだ。

Ohana Ukuleles SK-30L, All Solid Mahogany, Tenor Scale Soprano

Ohana Ukuleles TK-20CE, Solid Mahogany Top, Cutaway

Ohana Ukuleles CK-35L, All Solid Mahogany, Tenor Scale Concert, Satin

Ohana Ukuleles TK-35GCE, All Solid Mahogany, Wood Binding, Gloss

Grover Ukulele Peg 6B

Grover Ukulele Peg 9, Nickel Black Button