エレクトリック・ギターの場合、アンプやエフェクターを使えば劇的に音を変えることができる。
しかし、アコースティックの場合はそう簡単ではない。
今回は、アコースティック・ギターのサウンドを変えるための裏技をいくつか紹介しよう。

①弦の弾く位置を変える
 裏技とは言えないレベルだが、これは最も簡単でお金も掛からない方法だ。
ピックを弦に当てる位置を、ブリッジ寄りにすればブライトなトーン、サウンドホール寄りにすれば落ち着いたトーンになる。

②ピックの硬さを変える
 これも試すとすぐに分かるが、同じ素材でも薄いピックはブライト、厚いピックは落ち着いたトーンになる。
また、ピックの素材やデザインでも音が変わる。

③弦を交換する
 当然のことながら、古い弦より新しい弦の方がフレッシュなサウンドが出る。
それに加えて、日頃ブロンズ弦を使用している人はフォスファー・ブロンズ弦に交換すると、サウンドが明るくなる。
また、同じフォスファーでもメーカーによってかなりトーンが異なるので、いくつかのメーカーを試してみると良いだろう。
さらに、同じブランドの同じタイプでも、ゲージが細いものほど明るく、太いものほど落ち着いたトーンになるので、ゲージを変更するのもひとつの方法だ。
しかしこれは弦高にも関わってくるので、その点は頭に入れておこう。

④弦高を調整する
 弦高が完璧に調整されているギターの場合は難しいが、同じギターであれば弦高は低い方がブライトなトーンになり、高い方が落ち着いたトーンになる。
ただしこれには限界があるので、大きくサドルを調整するこはできない。
またサドルの弦が当る部分の形状を尖らせた方がブライトになり、丸くした方が落ち着いたトーンになる。

⑤トラスロッドの調整
 これは初心者にはなかなか難しいが、実際に効果はある。
トラスロッドを時計方向に回転させると、ネック内部にセットされたロッドに押されて指板側が盛り上がってくる。
トラスロッドはネックの反りを調整するためのシステムだが、これを利用してサウンドの印象を変えることができる。
ロッドを回しネックにテンションを掛けると、トーンがややブライトになりサステインも伸びる。
これはロッドがネック内部にテンションを与え、ネックが堅くなることでサウンドに影響を与える。
ただし、ネックが逆反りするほど動かすと弦高が大幅に変化するので、ネックと指板がギリギリ動かない程度にとどめておくことが重要だ。
あくまでもネックを動かすのではなく、ネックにテンションを与えることが目的なので、そのさじ加減が重要となる。
ロッドはギターの状態によって効き方が大きく異なる。
ロッドを1/2回転させてもあまり効き目のないギターもあれば、1/4回転させただけでネックがかなり動く場合もある。
レンチを回す時は、時計の短針の1時間くらい(30度程度)をめどにし、様子を見ながら時間を掛けて行うようにしよう。行き過ぎたら戻すことを忘れずに。

Zemaitis
CAG-100HS-NAT-E, Natural

Zemaitis
CAG-100HS-FGR-E, Forest Green