前回のコラムで「もっと良く鳴るウクレレ弦の選び方 ①」として3種類の素材(ナイロン、フロロカーボン、ナイルガット)に関するキャラクターの違いを説明した。
実はウクレレの弦を選ぶ際に、もうひとつ重要なポイントがある。
それは弦のゲージ(太さ)とスケールである。

ギタリストには分かると思うが、ウクレレ弦にもゲージがありそれによってサウンドもテンションも異なっている。
ただしひとつギターと違うのは、ウクレレの場合「ソプラノ(スケール:53~54cm)」「コンサート(59~60cm)」「テナー(67~68cm)」という3種類のサイズがあり、この3サイズはボディの大きさだけではなくスケールが異なっている。
しかしユニークなことに、どのサイズも4弦から「ソ・ド・ミ・ラ」にチューニングする。
同じゲージの弦を使用した場合、ソプラノに対してテナーは圧倒的にテンションが強くなる。
そのため、ウクレレ弦にはオールサイズ兼用弦もあるが、ダダリオやロトサウンドのように「ソプラノ弦」「コンサート弦」「テナー弦」とサイズで分けて、3種類の専用弦を発売しているブランドもある。
また、マーティンなどは「ソプラノ/ コンサート兼用弦」という形で製品を発売している。
さらに、Lo-Gチューニングのウクレレ用に、4弦を太いゲージにしたセット弦も多くのブランドから発売されている。

これに加えて、いくつかのゲージを用意しているブランドもあるので、それらを組み合わせるとかなりのバリエーションがある。

具体的に弦選びの実例を挙げてみよう。
もっと弦のテンション感が欲しい場合はフロロカーボン弦、もしくはゲージの太い弦を使用する。
ソプラノ・サイズのウクレレに太めのテナー用の弦を張ることもアプローチとして考えられる。
逆にテンション感を緩めたい場合は、ナイルガット弦やナイロン弦の細目のゲージを選ぶと良いだろう。
Lo-Gチューニングの場合は、最初からそのセットを選ぶか、Lo-G用の4弦がいくつものブランドから販売されているので、それを別に購入しても良い。
ややマニアックな裏技だが、1~4弦のトーンやテンション感、サステインなどにバラツキがある場合は、バラ弦でゲージや種類を組み合わせることで、多少なりともバランスの取れた方向へと導くことも可能である。

ウクレレはコンパクトであるため、ギター以上に弦の影響を受けやすい。
手持ちのウクレレのサウンドがいまひとつ納得いかない場合は、諦めること無く弦の種類やゲージを調整しながら、自分の求めるサウンドに近づけるように試行錯誤を繰り返してみよう。
また、当然ブランドやシリーズによってトーンやテンションが異なることを理解し、そのウクレレにベストマッチな弦を見つけ出してみよう。
ウクレレと弦とのマッチングによって、サウンドは驚くほど変わる。
それを自分で見つけることも、ウクレレを楽しむ醍醐味のひとつと言えるだろう。

Ohana Ukuleles
SK-35,All Solid Mahogany, Wood Binding

Ohana Ukuleles
CK-14 CLE, Cynthia Lin Series, with Passive Pickup

Ohana Ukuleles
TK-14E, Laminate Mahogany

Rotosound
Ukulele Nylgut Synthetic Gut, RS85S

Rotosound
Ukulele Nylgut Synthetic Gut, RS85C

Rotosound
Ukulele Nylgut Synthetic Gut, RS85T