昔音楽の時間に「平均律」と「純正律」の違いについて学んだことがあると思う。
「ん~~、習った気もするけど、なんだっけな…」と思っている人は多いだろう。
「確か、純正律のハーモニーは綺麗だったかも…」と記憶している人もいるかもしれない。
今回は、その「平均律」と「純正律」について、もう一度お勉強してみよう。

先ずは「純正律」に関して説明しよう。
弦楽器のように弦を両側から強く引っ張って「ド」に合わせたとする。
弦長をピッタリ2/3にすると「ソ」の音になる。
今度は「ソ」の音を基準にして弦長をピッタリ2/3にすると「レ」の音になる。
さらに「レ」を基準に2/3にすると「ラ」。
これを12回繰り返すと最初の「ド」の音に戻ってくる。
これが「純正律」と呼ばれるもので、純正律で「ド・ミ・ソ」の和音を奏でると、まったく濁りや揺れの無い澄み切った美しいハーモニーが生まれる。

しかし、12回繰り返した後の「ド」の音は、最初の「ド」の音と1オクターブ違うのでなく、それよりも24セント(1セントは1オクターブの1/1200)高くなってしまうのだ。
1オクターブごとに24セントも違うのでは、音楽を奏でるのに流石に都合が悪い。
そこで、その24セントを12等分し、半音ごとに2セントづつ低く設定することで1オクターブの帳尻を合わせようと言うのが「平均律」である。
ある意味では、全ての音階で少しづつ妥協しているとも考えられるが、現代の音楽は基本的にこの平均律で演奏されている。

「だったら、そんな妥協はせずに純正律で演奏したら良いんじゃないの?」と思われる人もいるだろう。
しかし、「ド・ミ・ソ」だけのハーモニーであれば確かに美しいが、様々なハーモニーを使った和音の場合、ピッタリ合っている部分と大きくズレている部分とが一緒に重なるため、音楽として成り立たなくなる。
転調など論外である。
平均律は平均的にズレているため、ある意味ではバランスが取れておりそれほど違和感が無い。
また一般的な楽器は演奏の仕方で数セントくらいはズレた音が出ていたり、またいくつもの倍音やノイズなどを含んでいるため、僅かなピッチのズレは気にならない。

ましてやギターの場合などは、ハンドビブラートを掛けたりエフェクターを掛けることで、意図的にピッチをずらして演奏することも多く、それをプレイヤーの味にしているくらいなので、まったく問題ない。
また、複雑なテンション・コードなどは、純正律よりもむしろ平均律の方が美しく響いて聴こえるようだ。
もちろんピアノなどの鍵盤楽器も昔から当然平均律で調律されているが、もしもピアノを純正律で調律した場合、1オクターブ以内でしかも「ド・ミ・ソ」だけを使った曲を演奏することになるかも…。

Greco
GT700C

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アコースティック・ギター、エレキ・ギターはもちろんのこと、6弦ベース、バイオリン、ウクレレのチューニングにも対応するチューナーです。