吹奏楽やマーチングの経験者であれば常識だが、未経験な人にとっては「金管楽器」と「木管楽器」の区別がいまひとつ良くわからない。
今回はその基準に関して紹介しよう。

トランペットやホルンを見ると、ピカピカのブラスなどの金属で作られている。

これは誰が見ても金管楽器だろう、と多くの人が思うだろう。
そう、これは確かに金管楽器である。
では、クラリネットやオーボエはエボニーなどから作られているので、木管楽器では…。

そう、これらは木管楽器で間違いない。

では、フルートはどうだろう? 

フルートは洋白や銀などでできているので金管楽器? 
と答える人もいるかもしれないが、しかしこれは木管楽器である。
そうか、もともとフルートは木材で作られたから、その名残で木管楽器なのだろう…、と考える人もいるだろう。
確かにフルートが誕生した19世紀には木製の製品が一般的だったようだ。
しかし、それとは全く関係なくフルートは木管楽器である。

さらにややこしいが、ではサキソフォンはどうだろう? 

あれはどこから見たって金管楽器だろう…。
木製のサキソフォンなんて見たこと無い。
という声が聞こえてきそうだが、サキソフォンは木管楽器である。
ん~ここまでくると、何が何だかその基準が分からなくなる…。

実は、「金管楽器」と「木管楽器」に分類される基準は、金属製か木製かは全く関係がない。
その基準はただひとつで、トランペットのように唇をブルブルと振るわせることで音を作り出す管楽器を「金管楽器」と呼び、それ以外を全て「木管楽器」と呼んでいる。
あ~、そうか…。
昔の音楽の授業を思い出した人もいるのではないだろうか。
ということは、金管楽器と呼ばれるグループは意外に少なく、圧倒的に木管楽器のグループの方が多いことになる。
金管楽器と呼ばれるグループの代表と言うと、トランペット、コルネット、トロンボーン、チューバ、ホルン、フリューゲルホーン、ユーフォニアム、あの長~いアルプスホルンなども木製だが金管楽器に分類される。

でも、「金管」「木管」って、誰もが勘違いするようなネーミングをあえて付けるっていうのも、ちょっとね…。